お店に自然の景色を取り入れる方法を比べる 窓型の機器・施工つきの設備・植物・ブラウザの映像
待合室やサロン、店内に「自然の気配」を置きたい。そう考えたときの方法は、映像だけではありません。 窓の形をした専用の機器、天井や壁に組み込む設備、本物の植物など、考え方も費用もかなり違います。 この記事では、それぞれの特徴を比べます。
この記事は、ブラウザで開く自然の映像「keensense(キーンセンス)」を運営している側が書いています。 比較の中にも、選択肢の一つとして入れていますが、他の方法のほうが向いているケースも、あわせて書きます。
各サービスの情報は、2026 年 11 月 2 日時点で、公式ページなどで確認できた範囲です。確認できなかった価格や条件は、書いていません。 導入を考える際は、必ず最新の情報を各社の公式サイトでご確認ください。
方法は大きく 4 つあります
- 窓の形をした専用の機器に、風景の映像を映す
- 施工つきの空間演出設備(仮想の天窓や窓)を設ける
- 本物の植物を、壁やパネルとして置く
- すでにあるテレビやタブレットに、映像を映す
1. 窓の形をした専用の機器:Atmoph Window など
壁に掛けると窓のように見える専用のディスプレイに、世界各地の風景を映すタイプです。 Atmoph Window は、公式サイトによると、現行の機種は「Atmoph Window Yo」と「Atmoph Window 2」です。 法人向けのページには、オフィス、クリニック、ホテル、レストラン、カフェ、介護施設などで、3,000 台以上が法人に使われていると書かれています。
- 導入の手軽さ:壁(またはデスク)のスペースと電源があれば設置でき、大がかりな施工は要らないと書かれています。設置は基本的に自分で行い、状況によってメールや電話でのサポートがあります。
- 費用:導入に必要なのは基本的に本体の価格です。法人向けのページには、たとえば「Atmoph Window Yo + Scope」が 84,800 円(セール価格。通常 88,600 円)、3 台セットが 239,800 円と載っていました。価格は変わることがあります。風景が見放題になる「Limitless」を契約すると、台数に応じた月額が別にかかり、風景を買い切りで買うこともできます。
- 条件:Wi-Fi が必須です。保証は購入から 12 か月です。
- 音:現地で録音した自然音が流れると書かれています。
- 向いている場面:壁の一角を「窓」として見せたい、家具のように置きたい、という場合。実績が多く、設備に近い存在感があります。
- 確認しておきたい点:画面の数だけ機器が必要です。台数が多い場合は、公式の問い合わせフォームで相談できます。
2. 施工つきの空間演出設備:天窓Vision、Sky Factory など
天井や壁に組み込み、仮想の天窓や窓をつくる、設備に近いタイプです。
- パナソニックの「天窓Vision」:天窓を人工的に再現する空間演出システムで、病院の待合室やオフィスなどが用途とされています。 機器・映像システム・標準コンテンツ・施工・設定をまとめた商品で、価格は公開されておらず、問い合わせ制です。 公式ページでは、2026 年 9 月末で販売を終了と案内されています。
- Sky Factory(米国)・LiquidView(米国)・LandSkip(日本)など: 米国では、病院向けに仮想の天窓や窓を手がける Sky Factory や、業務用の大型ディスプレイに窓枠を組み合わせ、現地の日の出・日没に合わせて 24 時間の 8K 実写風景を映す LiquidView といった専門会社があります。 日本国内でも、株式会社ランドスキップ(LandSkip)が、病院の放射線治療室や待合室、窓のないオフィス向けに、バーチャルウィンドウ(「Window Air」「Medical Window」など)や風景配信を展開しています。いずれも設置環境や画面構成に合わせた個別の問い合わせ・見積もり制が基本です。
天井や壁に組み込む工事や専用フレームの設置を前提とした導入が多く、新築や改装の計画と合わせて検討する場面が中心になると思います。
3. 本物の植物や、熱帯魚の水槽:Naava、アクアリウムレンタルなど
Naava(フィンランド)は、映像ではなく、本物の植物の壁です。 公式ページによると、土を使わない植物のユニットに、自動の水やりと照明がつき、設置と保守は同社のサービスが担います。 月額で借りる方式があり、「月 €150 から」(機種・台数・契約による)と書かれています。
また、クリニックや介護施設の待合室では、メンテナンス付きの熱帯魚の水槽(アクアリウム)レンタルもよく選ばれています。 本物の生き物が泳ぐ立体感がある一方、水換えの立ち入りや 24 時間のヒーター・ポンプの電気代、衛生・水漏れ管理が必要です(画面の映像との詳しい比較は熱帯魚水槽レンタルと環境映像の比較記事にまとめました)。
4. すでにある画面に映像を映す
テレビやタブレットを使い、新しい機器や工事なしで始める方法です。映像の出どころで、さらに分かれます。
- 店舗向けに映像を配信するサービス・業務用 DVD:たとえば米国の Atmosphere TV や Loop TV は、専用のストリーミング端末をテレビにつないで、広告モデル等で店舗向けの映像チャンネルを流す仕組みです(Atmosphere TV の公式ヘルプでは、月 40 時間以上流せば無料で、平均 3 分のループに同社の映像・店舗向けサイネージ・外部広告が入ると説明されています)。 日本国内では、株式会社シンフォレストなどが、病院の待合室や施設向けに業務上映許諾付きの自然・ヒーリング映像(DVD / Blu-ray 等)を提供しています。
- 動画サイトの動画を流す:手軽ですが、店舗で流してよいかは、規約と著作権の確認が要ります(店舗でYouTubeの環境映像を流してもいい?)。
- ブラウザで開くだけの専用の映像:この記事を書いている keensense は、この種類です。次の節で説明します。
keensense とは
keensense は、焚き火、森の中の滝、星空、砂浜といった自然の景色を、ウェブのブラウザで映すサービスです。 店舗やクリニック向けには、月額または年額で、店舗での上映を認める商用のライセンスを提供しています。
- 映像のつくり:撮影した動画を繰り返す方式ではなく、炎や水、星の動きを、その場でコンピューターが描いています。 同じ動きがループしないのが特徴ですが、パソコンやタブレットの性能が低いと、動きがなめらかでないことがあります (違いの詳細は録画のループとリアルタイムの違い)。
- 導入の手軽さ:専用の URL を、手持ちのテレビ・タブレット・PC のブラウザで開くだけです。会員登録・ログイン・工事・専用機器は不要です。インターネットとブラウザは必要です。
- 料金:月額 9,800 円、年額 98,000 円。1 拠点で 1 ライセンスで、同じ施設内なら画面の台数は問いません。初期費用はありません。
- 広告や関連動画:出ません。店舗に音がある場合は、ワンタップで消音できます。
一方で、keensense には向かないケースもあります。
- 壁に「本物の窓」のような存在感や、家具のような質感を求める場合は、窓型の機器や設備のほうが合います。
- 本物の植物がもたらす空気や見た目の効果は、映像では得られません。
- インターネットにつながらない環境では使えません。
- 数年単位で、設備として据え置きたい場合は、買い切りの機器のほうが向くことがあります。
選ぶときの目安
- まず試したい、工事はしたくない:すでにある画面に映す方法(4)から。keensense のような、ブラウザで開くものなら、機器の購入が要りません。
- 空間の「作り込み」をしたい:窓型の機器(1)や、施工つきの設備(2)。
- 本物の緑を置きたい:植物(3)。映像と組み合わせる方法もあります。
どの方法も、効果があるかどうかは、お店の広さや客層によって変わります。 試せるものから試し、お客さまの様子を見ながら選ぶのが、いちばん確実だと思います。